みなさんは仕事が楽しいでしょうか。少ないストレスで働けていますでしょうか。この記事に辿り着いて下さった方の多くはNoではないかと思います。
「もう限界なのに辞められない。」「出社しなければいけない。」そう考えている人も多いと感じます。中には、メンタルが強い方で限界に気付いていない方や、辛い現状に負けたくない方もいるかもしれません。過去の私がそうだったからよく分かります。自分だけじゃないんだって安心して欲しいです。
ただただ苦しいだけの仕事は自分が求めている成長にはつながらないし、精神的な病になってしまっては元も子もありません。ネガティブな時は思考が狭くなってしまいがちです。私の体験談がみなさんの視野を広げ、不安や苦しみから解放されるひとつのきっかけになったら嬉しいです。
私が適応障害になり、短期離職に至るまで
配属
入社研修を受けた後、リーダー1名メンバー2名の計3名のチームに配属されました。業務内容はSaaS商材のインサイドセールス、いわゆる架電営業で商談のアポイントを獲得するまでが私の役目でした。営業スタイルは新規開拓、営業の中でもかなり難易度の高い手法です。しかも、市場は競合が多発している超レッドオーシャンで、トレンドも過ぎていて必要としている人が少ない商材。リーダーからは開口一番、社内の中でもトップレベルに苦しい仕事であると伝えられました。ただ、SaaS業界の成長が凄まじいことは転職前から分かっていました。かつ、時間や場所にとらわれない働き方もできるし、給与水準も高いということで、”やってやるぞ”と意気込んでいました。
業務開始
いよいよ架電開始。正直、もうこの時点で「あ、自分と合っていないかも」と思っていました。今考えれば当たり前のことなんですが、めちゃくちゃ冷たく断られるんです。いわゆるガチャ切りもザラ。同一商材の営業電話が1日に何回も来る、とブチギレられることもありました。(SaaS商材は複数の代理店が扱っているケースが多い)わずかな顧客を競合と取り合っている、そんな状況でした。自分が営業活動をしていることが迷惑なんじゃないかと申し訳ない気持ちになっていきました。ざっくり日々のコール数は100件、繋がる件数は50件、アポイントは1件取れるか取れないか。ほとんど断られる前提でコールするんです。
苦しい日々
稼働開始してから、初めてアポイントが取れるまでに2週間かかりました。当然リーダーからは詰められます。なんでアポ取れないの?どうするの?目標達成できるの?そんな言葉を毎日投げかけられていました。未経験で右も左もわからない私、どうすればアポが取れるかなんて分かりません。曖昧な答えになり、さらに詰められるそんな毎日でした。結局、初月は目標達成率30%と散々な結果に終わりました。ただ、私の心はまだ折れていません。私は約束を破ることが一番嫌いなんです。営業の約束は与えられた目標値を達成すること。絶対に次月は達成する。なんなら、未達分も取り戻すそんな心持ちでした。
平日は、終業後寝る直前まで振り返りや知識のインプットを行い、休日も仕事のことばかり考えていました。自分のことを追い込みまくっていました。残業ではないけど換算したら80〜100時間分くらい費やしていたと思います。結果的にアポイントは取れるようになり、意気込み通りの目標達成率170%に到達することができました。しかし、このタイミングでプツンと糸が切れたような燃え尽きたような感覚が芽生えてきました。
葛藤
目標達成はできるようになりましたが、いつからか数字を達成することが仕事の目的になっていきました。それが求められている役割なので当然のことではありますが。商材を必要だと思っていない人を丸め込み、半ば強引にアポを取っている感覚が自分の中にありそれが違和感でした。営業の世界では、顧客の潜在課題を引き出せなんてことが言われます。しかしそれは営業側の都合で、本当に必要な顧客は自分で調べてアクションするんじゃないの、というのが私の考え方でした。
次第に、電話をかけることが怖くなり、断られることが怖くなっていきました。その積み重ねからか、吐き気や不眠、動悸など身体が悲鳴をあげ始めていることが分かりました。普段全く熱を出さない私ですが、39度近い熱が単発で出ることも何度かありました。メンタルから来るものだと分かっていましたが、それを認めたくない負けたくないと思う自分もいたし、休職や短期離職でキャリアを崩してはいけないという考えもありました。逃げたいと感じる自分の心と続けなきゃいけないと考える自分の頭、この葛藤が本当に辛かったです。
短期離職
その後もしばらく仕事を続けましたが、ついに限界が近くなりつつありました。電話をかけていた時に無意識に涙が出てくるようになりました。泣きながら電話なんてできません。人生でサボったことがない真面目な私が勇気を出して休みを取り、心療内科に行ってみました。適応障害の診断でした。なぜか私は安心しました。そのように診断されたかったのかもしれません。
1ヶ月間休職をすることになったので、冷静になり立ち止まりました。この仕事を続けたいのか、短期離職したら就職できなくなるのか、給料がないと生活できないのか、自分の心と向き合い、勝手な思い込みを外していきました。この仕事を続けることが自分の幸せではないことが分かり、有効求人倍率や社会保障制度など調べれば、この仕事にしがみつかずとも生活できることが分かり、私は退職することを決断しました。
最後に
追い込まれている時やネガティブな時は視野が狭くなりがちです。そんな時こそ、自分の心と向き合ってください。冷静に俯瞰して自分を見てみてください。今の自分は輝いていますか?幸せそうですか?自分と向き合っていると自然と選択肢も広がってきます。短期離職は良いものでないことは間違い無いですが、自分の心を押し殺していることはもっと良く無いことだと思います。自分の心に従って、心からの笑顔でいる人が増えることを願っています。
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