【メーカー志望者必見】調達部のリアルな仕事内容

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文系の方でも、ものづくりの流れに参画できる貴重な職種「調達部」の仕事のリアルをお届けします。私は、新卒から約3年間、大手自動車部品メーカーの調達部に勤めていました。私も、”必要なモノを買う人”、くらいの知識しかなかったので、この記事で職務内容の解像度を上げれるよう執筆していきます。

まず調達って楽しいの?

全体的にやりがいのある楽しい仕事だと言えると思います!調達といっても、材料・生産設備・金型・副資材・物流など、実は品目がかなり多いんです。担当する品目によって、関わる人や必要な知識が変わるので、飽きない職種だと思います。私の場合であれば、自分が調達した自動車部品が市場を走るクルマに搭載され、走っている姿を見ると誇らしい気持ちになります。

一方で、かなり大変な一面もあるのでこの記事でご紹介します!

調達の主な仕事内容

①仕入先選定

調達部というと「必要なモノを買う仕事」のイメージがあると思いますが、実際に発注するのは現場の工場であることが多いです。調達の仕事は、「必要なモノをどこから買うのが最適か決める仕事」と言えると思います。仕入先にも特徴があります。例えば極端な話、安いけど品質に懸念がある、高いけど品質は最高といったイメージです。

品質・価格・納期など、さまざまな視点から比較検討し最適な発注先を判断します。安ければ良いという単純な話ではなく奥が深い仕事です。

②価格決定

モノを購入するということは、仕入原価に関わってきます。企業の利益に直結する重要な業務です。分かりやすく言うと、営業が高く売り、調達が安く買うことができれば、企業の利益が最大化されます。この業務がバイヤーの腕の見せ所な訳です。

価格交渉をする上では、自分の中で適正価格の基準を持っておく必要があります。いくらが安くて、いくらが高いのか判断できないからです。そのためには、技術的な専門知識や市況の変化などにアンテナを立て、インプットをしなければなりません。具体的には、製造工法、鉄鋼などの材料価格、電気ガス等のエネルギー費、等々多岐に渡ります。自分が持っている情報をフル活用し、仕入先と価格交渉を行っていきます。

直近では、下請法に関するニュースが度々報道され、仕入先の立場が強くなっています。仕入先から値上げの申し入れが来ることも珍しく無いと思います。その際に、適正な値上げ額なのか、ハッタリで高めにいってきているのか判断する上でも、市況感を持っておくことの重要性は高まっています。

③トラブル対処

生産活動を行っている中で、トラブルは度々発生します。品質不良や納期遅延など様々です。製品は何か一つでもかければ完成しないので、こういったトラブルは重大で責任も大きいです。社内からも仕入先に関することは全て調達部でなんとかして、と丸投げされることも多いのでかなり大変です。当然、調達だけではどうにもできないので、調達主導で関係者(社内部署・仕入先)を集め対策を考える必要があります。メンタルダウンする人も多いのですが、対処できずに溜め込んでしまう人が陥りやすいと思います。

調達部員の苦労

①勉強することが多い

インプットの量は他部署と比べても段違いで多いです。下請法、財務諸表の見方、図面の読み方、製品工法、材料知識、品質知識、市況情報、SDGs、、、死ぬほどあります。もちろん全部必須というわけでは無いですが、社内調整をする上で他部署と話が噛み合わなあったり、価格交渉する上でロジックが組めなかったりと、要所要所で必要な知識・情報が出てきます。常に勉強が必要な仕事です。

業務の範囲が広すぎる

社内では仕入先に関することは基本的に調達任せにされます。逆に、お客様に関することが全て営業任せになるか、というとそうではありません。例えば、客先で品質不良がでれば、営業ではなく品質管理や品質保証といった社内部署が基本対応します。しかし、仕入先で発生したトラブルは調達が旗振りをします。こんな具合で、仕事量がかなり多いため、必然的に残業時間も多い傾向にあります。

③社内外で板挟みになる

社内や顧客からの要望で、製品の仕様変更や納期変更等が出てくることがよくあります。ただ、すべての要望を仕入先が対応できるわけではありません。仕入先ができる最大限と社内・顧客が許容できるラインを合わせ、円滑に生産が進行するよう調整しなければなりません。両者をつなぐ潤滑油となる役割が求められます。

調達部のやりがい

①ものづくりに深く携わることができる

文系職種の中では随一です。仕入先の工法も価格に影響するので、時には製作工程まで踏み込んで交渉します。そのため、仕入先の工場を訪問し、実際の製造工程を視察することもあります。そして、自分が調達した部品が完成品に使用され、市場に出るわけなのでエンドユーザーを日常で目にした時、製品への愛着や、やりがいを感じると思います。

②利益率へのインパクトが大きい

企業規模にもよりますが、調達部にいる個人の年間発注額は数億円から数十億円となります。それだけ規模の大きい仕事をしているんです。そして、原価低減をしただけ会社の利益が上振れるので、会社への貢献も感じやすいです。もちろん利益率が良くなればボーナスへの影響も。

最後に

調達部は骨の折れる側面も多いですが、それを乗り越え製品が市場に出ると誇らしい気持ちになり友達に自慢したくもなっちゃいます。また、生産活動の大部分に携わることができ、他部署関係者との調整も多いので、社内異動やキャリアアップもしやすい職種だと思います。

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